プログラムの特徴

将来,どの専門分野を目指すにしても,医師としての基礎体力をつくるのが初期研修です。医療全般に対する広い視野,基本的な診療能力や緊急時の対応能力,チーム医療に必要なコミュニケーション能力,適切な患者・医師関係を築くことのできる社会性,生涯に渡る自己学習の習慣などは最初の1~2年のうちに身につけるべきだと私たちは考えています。そのため,当院の研修プログラムの特徴として第一に,診療科の枠を超えてチーム医療を実践していること,第二に,プライマリ・ケアと救急医療が充実していることが挙げられます。具体的には初年度に指導医の多い内科と,今までの研修医から習得したい技術で希望が多かった技術(縫合や気管挿管など)の研修に適した症例の多い救急科を中心とした研修科目を設置しています。2年次には,それぞれの研修医の希望する研修体系に対応できるように長期間の自由設計枠を設置しています。また,医局は総合医局ですので,研修中の科に縛られることなくすべての科の医師に必要時にコンサルトすることが可能です。これによりスキルを築くとともに,医師として人としてしっかりとした素地を形成でき,満足度の高い2年間が過ごせると考えています。

基本ローテーション

厚労省の示した基本案に準拠し,さまざまな希望に沿えるよう2年次に自由選択枠11ヶ月を設定しました。しかし,私たちが推奨する選択肢(コース設計)がありますし,各科目の履修期間や履修施設には,ある程度の制約も存在します。定員10名というコンパクトなプログラムですから,研修医どうしの希望が重なって調整に難航することがなく,自由度の高い設計が可能です。

1年次(かっこ内の数字は月数)

1年次

前半の6ヶ月間は臨床の考え方と実務に慣れることを重視して,内科の3分野(各1ヶ月),一般外科(1ヶ月),救急科(1ヶ月),放射線科(1ヶ月)を全員がローテーションします。
後半の6ヶ月間は1年次の仕上げです。内科の残り3分野(各1ヶ月)と,救急科(1ヶ月)をもう一度ローテーションします。さらに,選択必修科目(精神科,麻酔科,小児科,産婦人科から1つか2つ)を2ヶ月間おこないます(2年次へ連続する設計も可能)。
なお,1年次はマンツーマン指導を徹底できるよう,ローテーションの1コマに2名以上の研修医が重なることがないように配置します。

2年次(かっこ内の数字は月数)

2年次

地域医療は綾川町国民健康保険陶病院および赤十字血液センターにおいて,在宅医療(往診や巡回診療)を中心に研修します。
自由選択科目は,当院プログラムが準備したすべての選択肢のなかから,研修医自身の判断により決めることができます。もちろん,私たちがお薦めコースをいくつか提示しますので,それも参考にしてください。

内科研修

当院の内科系には3つのセンターがあります。設立された順に並べると,

  1. 消化器センター:上部および下部の消化管,肝胆膵を診療するために必要な内視鏡設備およびスタッフが揃っています。
  2. 糖尿病センター:保健師,管理栄養士,運動療法士などを含むチーム医療によって,治療導入の教育入院から急性合併症時の緊急対応まで,糖尿病のすべてを扱っています。
  3. 心臓・血管センター:2010年1月に,最新のFPDディジタル血管造影装置2台を導入し,冠動脈を対象としたPCIはもちろん,種々の末梢血管(頸動脈,腎動脈,四肢動脈)のインターベンションを行います。

さらに,血液内科を専門とする常勤医師がいます。
1年次には,こうした分野を概ね1ヶ月の単位でローテーションしながら,基本的な臨床能力を養います。2年次に希望する専門分野を追加選択することも可能です。また,消化器科,神経内科は2年次に香川大学医学部附属病院(3ヶ月~)での研修を選択することができます。

内科研修

内科研修

救急科研修

当院の救急科は日本救急医学会専門医3名のもと,24時間体制で外来診療を行っています。年間救急外来患者数は9500人,うち救急車による搬送は2600件を越え,軽症から重症まで様々な疾患に対応しています。プライマリ・ケアに必要な救急初療を学ぶことができるため院外からも多くの研修医が当院での救急研修を希望されています。当院の研修医は救急科のローテーション中以外にも,救急科スタッフの指導の下,1年次は週1回の半直研修,2年次は当直研修を行うことができます。また,2年次に香川大学医学部附属病院(3ヶ月~)の研修も可能です。

救急科研修

救急科研修

選択必修,自由選択

精神科

メンタルケアの考え方はすべての医師に必要です.したがって,できるだけ精神科研修(1ヶ月)を受けるよう奨めます。総合病院のなかに存在するアクティビティの高い精神科(51床)ですから,1ヶ月という短期間であっても,急性期管理をふくめた密度の高い研修が可能です。希望すれば,さらに長期の選択研修にも対応できます。 また,2年次には五色台病院(1ヶ月~)の研修も可能です。

麻酔科
麻酔科

外科系希望の研修医には1~3ヶ月の研修を奨めます。全身麻酔1,500例以上/年の研修を中心に,気管挿管やCVC挿入の技術,全身管理の経験を深めることができます。 また,2年次には香川大学医学部附属病院(3ヶ月~)の研修も可能です。

小児科

四国こどもとおとなの医療センター(1ヶ月~)または高松赤十字病院小児科(1ヶ月)の研修ができます。とくに内科系希望者には履修を奨めます。

産婦人科
産婦人科

当院は坂出市で唯一の分娩取扱施設で,年間400例(正常)50例(異常)以上の症例を扱います。1年次に1ヶ月,希望者には2年次にさらに長期の研修も可能です。

外科
外科

1年次の基本ローテーションに入っていますが,2年次には当院で腹部,呼吸器,乳線などの専門分野を追加選択することができます。

その他の外科系
その他の外科系

整形外科,脳神経外科,泌尿器科(透析センターを含む),形成外科,眼科,耳鼻咽喉科の6診療科について,当院で2年次に選択研修が可能です。

放射線科・病理診断科

1年次の基本ローテーションに入っていますが,2年次に選択研修が可能です。

救急外傷コース(当院オリジナル)

これから医師として働く上で、必ず出会う救急外傷症例の緊急度を判断し、最低限必要な処置がとれるようになること、またその後の各専門分野での根治治療を経験することを目的としたコースです。コースの性格上、救急科を中心に形成外科・外科・耳鼻科・整形外科・脳外科・泌尿器科と外科系複数科にまたいだ研修となります。学生実習とは違った各科の実際の診療の雰囲気を知るにも有用でしょう。3ヵ月間の本コース終了後、興味のある各科での選択研修継続も可能です。

プログラム責任者より

三浦歓之

「どういう医師になりたいの?」と聞かれて、皆さんはどう答えますか?医師になる自覚、プロフェッショナルを目指すためにどの病院で何をするのかというVisionを、皆さんはお持ちでしょうか。初期臨床研修の2年間は意外とあっという間です。医師としてのスペックを決めるといっても過言ではない貴重な時間です。私自身、現行の制度2年目の初期臨床研修プログラムを受け、それを肌で痛感し、今度は皆さんにより良いプログラムを提供する立場になりました。当院は地域の方々から安心され、信頼されることをモットーとしており、症例は重症から軽症までさまざまな患者様が来られます。その中で修練した当院の卒業生は、コシのある皆さまから愛される讃岐出身の医師として全国で絶賛活躍中です。医師力(知力、体力、技術力、判断力、人間力、魅力)を当院で培ってみませんか。自ら学ぼうという姿勢の中で受けた熱い指導は、皆さんの一生モンの宝になることでしょう!(三浦歓之)